本日は①ビットコイン投資家がスポットETF申請のニュースに対してあまりにも強気になりすぎているのか、②仮想通貨市場からUSDCが消えていっていることの意味について解説をしていきたい。そしてこれらを理解することでビットコインの更なるアップサイドが見込めるのか、リスクリワードを考えるにあたりアップサイドとダウンサイドのどちらにかける方が分があるのかについて僕の勝手な考えをわかってもらえたらと思います。
まずはビットコインの投資家は強気すぎるのかについて、以下のグラフを見て欲しい。一つ目はビットコインの現物に対して3ヶ月先の先物に何%のプレミアムが乗っかっているか。その次が30日後満期のオプションでコールオプションとプットオプションどちらの方が優勢で買われているか(下に行けば行くほどコールオプション、上に行けば行くほどプットオプションが買われている)
まずは先物のプレミアムですが通常時は5~10%の範囲内を推移しており、その範囲から逸脱すると弱気・強気と判断される。今の現状は6.8%で加熱感は全くないと言っていいだろう。今はやはり下落への期待は高くないまでも、SECが課してくる仮想通貨取引所への規制や罰金などに注目が集まったり、アルトコインの証券性について議論が多々出てくることもあり、市場のセンチメントは必ずしも良いとは言えない状況にある。
ただしオプションマーケットについては現在コールオプションに13%傾いている状況。7%を超えてくるとやや強気に傾いていると言われている。オプションが優勢なのはアップサイドを撮り逃したくない人たちが、少ないコストと限定的な損失でアップサイドを狙えるオプションでビットコインの上昇に賭けているということが起きているのだろう。過熱感はないがアップサイドへの期待が見て取れる。
次に見ていきたいのはUSDCが市場から消えていっているといデータ。まずはデータを見て欲しい。ステーブルコインの全体の発行量が下落しており、その最大の要因はBUSDとUSDCの現象にある。USDTは逆に増えている。BUSDについてはBinanceが償還しているためである。ではUSDCはなぜなのか?
USDCは機関投資家が中心に使うステーブルコインということもあり、機関投資家が資金を引き上げているのだ。ではなぜ引き上げるのか?今の米国債の3ヶ月や6ヶ月ものの金利を見れば納得だろう。それぞれ5.4%と5.5%だ。安全性と金利のバランスを考えるとこれほど美味しい金利収入を得られるチャンスはそう簡単にはないだろう。こう言ったケースは多くはないと思うが、例えばビットコインの上昇のためのオプション取引のコストを米国債からの金利収入を当てることでリスクを最小限にして上昇を最大限とるという取引ができる。そのまま金利収入を確保しても良い。とにかくとても美味しい状況なのは間違いない。
ではなぜ投資家はここまで慎重になっているのか。それは市場から流動性が抜けていっているのだ。今のデータを見て欲しい。赤は簡単にいうと世界の株価指数。青は世界の5大中央銀行のバランスシートの推移である。これが萎んでいっているということは引き締めが進んでいる証拠であり、歴史的に見るとこの推移は世界の株価と連動していた。金利が高くなればなるほどお金を借りる人は減るので更に市場の流動性は減るだろう。そう言ったこともあって投資家はビットコインの上昇期待ばかりに目を向けることができない状況である。
ビットコインや仮想通貨市場が下落トレンドに入るかといえば僕はそうでないと思う。ただし、アップサイドは思ったよりも重いかもしれない。ビットコインETFが承認されたら次の材料は?正直短期的には今は何もないと思う。可能性としては夏に商人の話も出ているのでそのタイミングでオーバーシュートしたら僕はそこでレバレッジポジションについては一度利確するかもしれない。いずれにせよバブル相場よ、早く来い笑